離婚問題

  • 相手方の浮気や暴力などが原因で離婚する場合、どのような請求ができますか?
  • 相手方の浮気や暴力などが原因で離婚する場合には、相手方の行為は不法行為(民法709条)にあたりますので、慰謝料を請求することが可能です。相手方の行為の内容や程度等により、請求できる金額が異なりますので、弁護士にご相談ください。また、相手方の暴力が酷く、別居先や勤務先にもしつこくつきまとってくるような場合には、接近禁止命令の申立てや、刑事手続により対応する必要もあります。

  • 離婚すると、子供との関係はどうなりますか?
  • 離婚して子供と別居しても、親子関係には影響しませんので、別居する親にも養育費の支払義務があります。また、子供と別居する親が子供と定期的に会いたいと希望することもあるでしょう。養育費の金額は、夫婦の収入や子供の人数・年齢、夫婦間で合意した教育内容等によって決まります。子供との面会交流の内容も、夫婦や子供の生活状況等によって決まりますので、まずは弁護士にご相談ください。

  • 離婚したとき、子供の姓や戸籍はどのようになりますか?
  • 離婚すると、妻の姓は原則として旧姓に戻ります。しかし、子供の姓はそのまま代わりません。したがって、妻が親権を得た場合、子供の姓と母親の姓とが異なってしまいます。この場合には家庭裁判所に「子の氏の変更の申立て」をすることになります。また、妻が離婚後も婚姻中の姓を継続する場合でも(離婚の日から3か月以内に「婚氏続称の届出」を行うことによって、離婚後も婚姻中の姓を名乗ることができます。)、子供は直ちに親権者である妻の籍に入る訳ではありません。この場合にも家庭裁判所に「子の氏変更の申立て」をした後、審判書を市区役所戸籍係に提出して戸籍を変更してもらわなければなりません。

  • 熟年離婚を考えていますが、今後の生活が不安です。
  • 熟年離婚を考えていても、特に専業主婦の方は、再就職が難しく、離婚後の生活に不安を覚えて、離婚を躊躇する場合がよくあります。あともう少し待てば相手方に年金が支給されるという場合にはなおさらです。しかし、平成16年の年金法の改正により、平成19年4月1日以降は、離婚時に厚生年金・共済年金が分割される制度が適用されますので、離婚しても、将来相手方が受け取る年金を分けることが可能となりました。しかし、年金制度は非常に複雑なうえ、分割制度の対象となっていない年金もあり、また、分割される割合は個々の事案によって異なりますので、弁護士に相談することをお勧めします。

  • 2人で築いた財産はどうなりますか?
  • 婚姻生活中に2人で築いた財産(自宅や預貯金、積立金、株など)があれば、これらの財産は、離婚するときに分ける必要があり、2分の1ずつ分けるのが原則です。自宅のローンが残っていたり、夫婦の共有名義で購入した財産がある場合には、後々問題を引きずらないように、その扱いを解決しておかなければなりません。また、どちらが離婚を切り出したか、どちらに離婚原因があるかに関係なく、財産は分けられますし、専業主婦であっても、家事労働をすることで、夫名義の財産を築くのに協力したと評価される場合には、財産を分けてもらうことが可能です。 基本的には2分の1ずつですが、どのように分けられるかは、財産の内容や状態、婚姻年数、生活状態等により、ケースバイケースですので、まずはご相談ください。

  • 離婚の話合い中に相手方が生活費を支払わなくなったら?
  • 離婚の話合いが進行している間に、相手方が生活費を支払わず、生活に困る場合があります。このようなときは、婚姻費用の分担を求める調停を申し立てることが可能です。生活費としていくら認められるかは、夫婦の収入や子供の人数・年齢等の事情によって異なります。

男女問題

  • 相手方の浮気相手を訴えるには?
  • 配偶者に浮気されたが、配偶者が「浮気相手と別れる」と言うので離婚は思いとどまったものの、いつまでも浮気相手を許せないという場合があります。そのような場合には、相手方の浮気相手に慰謝料を請求することができます。慰謝料の額は、浮気していた期間や浮気相手との間の子供の有無、認知の有無等により異なります。

  • 婚約をキャンセルしたら?
  • 結婚の約束をした後に、相手方に結婚を取りやめたいと切り出したら、慰謝料を請求される場合があります。どのような場合に婚約が成立しているといえるかは事案によって異なります。結納の取り交わしをしていなくても婚約成立といえる場合がありますし、慰謝料額はキャンセルの理由等によって異なりますので、まずはご相談ください。

  • 未婚なのですが、相手の男性との間に子供がいます。相手と別れた際に、親権や養育費はどのようになりますか?
  • 未婚の男女間に生まれた子供の親権は、母親の単独親権となります。別れた後に養育費を請求するには、相手の男性に認知してもらう必要があります。

  • 別れた相手から、会社に手紙が来たり、電話がかかってきて、自分と付き合っていた時の関係を公表すると言われています。止めてもらうにはどのような手段がありますか。
  • 事実上、止めてもらうのは困難です。ただし、事後的に、相手の行為が「公然と事実を摘示」するものであれば、名誉毀損として訴え、損害賠償を請求することができますし、刑事告訴も可能です。また、相手の行為があなたへの恋愛感情に基づくものであれば、ストーカー行為として、電話等の禁止命令を申し立てることもできます。

  • 別れた相手から、付き合っていた時にプレゼントした物の返還を求められています。返還に応じなければなりませんか。
  • 交際相手から貰った物は、それが婚約指輪や結納金などでない限り、単なる贈与として扱われますので、たとえその後に別れたからといって、返還請求に応じる必要はありません。

  • 同棲相手の暴力に耐えられず、逃げるように実家に戻りました。同棲場所は私名義で借りているアパートで、私の荷物も残っていますが、依然相手が住み続けており困っています。
  • 賃借人はあなたなので、賃借権に基づく立ち退きを請求できます。また、賃貸借契約を解除して相手に出て行ってもらい、荷物を回収することもできます。弁護士があなたの代理人としてこれらの手続を行いますので、あなたが相手と顔を合わせることはありません。

  • 独身だと思って付き合っていた相手が既婚者でした。騙された私が悪いのでしょうか。
  • 相手が積極的に独身だと騙していた場合や、あなたが相手を独身と信じたことについて過失がない場合、貞操権侵害を根拠に損害賠償を請求できる可能性があります。また、右のような場合には、相手方の配偶者からの損害賠償請求にも応じる必要がありません。

  • 同棲相手が勝手に婚姻届を出してしまいました。取り消すことはできますか。
  • 婚姻意思がない婚姻は取り消すまでもなく無効です。もっとも、婚姻届の提出によって、戸籍上婚姻した旨の記載がされていますので、戸籍を訂正する必要があります。相手の協力が得られる場合には、家庭裁判所の許可を得て戸籍の訂正をします。相手の協力が得られない場合には、家庭裁判所に婚姻無効の家事調停を申し立てることになります。

  • 不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されました。不倫相手が「配偶者とは別れるつもりだ」と言っていたので不倫関係になったのですが、このような場合でも慰謝料を支払わなければなりませんか?
  • 配偶者のある相手と肉体関係を結んだ場合、いわゆる不倫は、相手方配偶者に対する不法行為として、慰謝料を請求される場合があります。もっとも、相手方夫婦の別居期間が相当長期にわたっており、法律上の夫婦であっても、既に夫婦の実態がないような場合などは、夫婦関係が破綻しているといえ、慰謝料の支払いに応じる必要がない場合もあります。

  • 不倫相手の子供を妊娠・出産しました。不倫相手に養育費を請求することはできますか?
  • 不倫相手の子供を出産した場合、不倫相手と子供の間には法律上の親子関係がありませんので、そのままでは、法律上、養育費の支払いを強制することはできません。そこで、生まれてきた子供の認知を請求し、不倫相手がこれに応じなければ、家庭裁判所に認知を求める調停を申し立てることができます。DNA鑑定等により、不倫相手と子供の間に親子関係が認められれば、裁判上の手続により、認知を強制することもできます。認知がなされれば、法律上の親子として扶養義務が生じるので、養育費の支払いを請求することができます。

  • 上司との不倫が会社にバレて、会社をクビになりました。もともとは、上司がその立場を利用して強引に肉体関係を迫ってきたという経緯があるにもかかわらず、私だけクビになり、不倫関係も一方的に解消されました。上司又は会社に損害賠償を請求することはできますか?
  • 会社は従業員の恋愛関係には介入できませんから、不倫関係であることを理由に一方的に解雇することはできないのが原則です。この場合は、不当解雇として慰謝料の請求が認められる可能性があります。しかし、不倫関係が原因で職場規律を乱すようなことがあれば、懲戒やリストラの対象となる場合がないとは言い切れません。
    上司に対しては、原則として、不倫関係を要求したり誘惑したことを理由に慰謝料を請求することはできません。しかし、例外的に、不倫関係の強要が上司の優越的な立場を利用した違法性の強いものであれば慰謝料請求が認められる可能性があります。不倫関係を一方的に解消したことについては、上司に対する慰謝料請求は認められません。不倫関係は法的保護に値する関係ではないからです。むしろ、このような場合であっても、上司の配偶者から慰謝料を請求される場合があります。

  • 元恋人からつきまとわれているのですが、どうしたらよいでしょうか?
  • いわゆる「ストーカー規制法」は、特定の相手方につきまとったり、待ち伏せしたり、住居、勤務先を見張ったり、面会や交際を強要したりなどの行為を規制対象としています。 ただ、ストーカー行為と、恋愛感情に基づく行為との区別は難しく、不当に規制することは、個人の恋愛の自由を制限してしまう可能性があります。そこで、実際に規制対象となる行為については、「特定の者に対して恋愛感情や行為の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を満たす目的」が必要とされ、また、複数回にわたって繰り返し行われ、その程度も、被害者の身体の安全や住居の平穏などが著しく害されるような不安を感じさせるようなものなどに限定されています。 このようなストーカー行為は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることになっています。ただ、ストーカー行為については、親告罪といって、被害者からの告訴がなければ、刑事事件として起訴することはできません。警察がなかなか動いてくれない場合でも、保全処分申立てなどができる場合があります。1人で悩まずに、勇気を持ってご相談ください。

  • 夫や元夫の暴力から逃れる方法はありますか?
  • いわゆる「DV防止法」は、国や地方公共団体が、被害者を一時的に保護したり、自立を支援したりするセンターを設置することを努力義務と定めています。まずは、こうしたセンターに相談し、一時的に保護してもらって、加害者から逃れることが考えられます。DV防止法は、配偶者(元配偶者、事実婚も含みます。)が加害者から重大な危害を加えられるおそれがある場合は、地方裁判所に保護命令を申し立てることができると定めています。具体的には、加害者が被害者らと接触しないよう、半年間、被害者及び被害者が連れて出た子に近づくことや、電話やメールをすることを制限したり、また、被害者が荷物を持ち出せるよう、加害者に対し2か月間、同居をしていた住居から退去することを求めることができます。

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